デザイナーとしての立ち位置を考える
自分はデザイナーとしてクライアントに必要とされているのか? 「クライアントは、なぜあなたにデザインの仕事を依頼するのか?」という分析をしたことはありますか?
これはデザイナーとクライアントの関係を「客観視」し冷静に事実を把握するために必要な行為です。
「言われなくても、そんなことは分かってるわい」というデザイナーもおられるでしょう。
デザイナーは良くも悪くも、自分の感覚とか、自分の志向に走りがちですから、クライアントとの関係でも視野狭窄状態になりがちです。
つまり、必要以上に「言われた通りにしなければ」「ミスをフォローしなくては」と思いこみ、仕事全体を冷静に判断できていないことがよくあります。
なぜ自分は選ばれているのか?
あなたの仕事をあるべき姿にするためには、クライアントとの関係を見直さなければなりません。
そこでまず「クライアントは、なぜあなたにデザインの仕事を依頼するのか?」というところから見直しましょう。
依頼の理由は「デザインが良いから?」「意志疎通がスムーズだから?」「クライアントのミスのフォローが上手いから?」ひょっとして「安いから?」
理由が見つかれば、あなたの仕事を、あるべき姿にするための方向性は決められます。ただ一つ、気をつけないといけない「理由」があります。 それは「安いから使われている」という答えです。
選ばれている理由として「安いから使われている」という事であれば、それは代替がきくという事でもあります。当然あなたよりコストが安い者が出現すれば、そちらを選ぶ事になるでしょう。
「安いから」という理由からどう脱却するか?
安いから選ばれていることは分かっている…という人は多いでしょう。では、価格で選ばれているのでなければ、どんな理由で選ばれているのでしょうか?
ザッとあげると 「デザインが良いから?」「意志疎通がスムーズだから?」「クライアントのミスのフォローが上手い?」等々でしょうか?では、これらの共通点はなんでしょうか?
そう、すべて独自性があります。誰もができるけど、磨けば独自性になるのです。
「デザインが良いから?」=もちろん一番重要です。でも「良いデザイン」はクライアントごとに傾向が違います。これが独自性の磨きどころです。
「意志疎通がスムーズだから?」=ひょっとしたら一番重要なスキルかもしれません。しかもこのポイントはクライアントごとの評価差がありません。
「クライアントのミスのフォローが上手い?」=これも重要。クライアントだってミスするんです。でも傷口は広げたくない。それを先回りしてフォローできるデザイナーは大切にされます。
乱暴な話ですがクライアントに選ばれたければ、これらを磨いてクライアントに認識させればよいのです。 デザイナーだから、「デザインが良い」だから発注される…これは当然かもしれません。 しかし、少なくとも「安い」という理由で選ばれるよりも十分価値があります。
自分とクライアントの関係を分析する
まとめとして、「冷静に自分とクライアントの関係を分析する」これがデザイナー側の意識改革には必要です。「クライアントは、なぜあなたにデザインの仕事を依頼するのか?」と 自らに問うことで現状の立ち位置を把握するのです。
もしそこで出てきた答えの中に、「安いから選ばれている」という項目があればこれはできる限り排除すること。
そして、できるだけ独自性のある理由で選ばれるように行動する。
ここまでできれば、あなたの仕事はあるべき姿に随分と近づいています。
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