クライアントから抜け落ちている大事な3点
デザイナーさんが考えてよ。ウチはプロじゃないんだから…
打ち合わせの時にこう言われた経験はありませんか? 多分かなり多くの方がその経験をお持ちでしょう。
で、こう言われた場合どうするか? まず、それは本当にデザイナーが考えることなのか? この検証からしなくてはなりません。
しかし、こんな疑問が湧いた場合、実はクライアントが考えるべき 問題である場合がほとんどなのです。 では、その考えなければならないこととはどんなことでしょうか?
デザイナーに対して、クライアントが制作を依頼する場合、最低限考えなければならないことは、
「誰に」=ターゲット
「何を」=商品、サービス
「求めているもの」=知名度、集客
の三点です。
ところがこの三点のポイントを、考えていない、もしくは決めていないという クライアントが非常に多いのです。
一番多い抜けが最初の「誰に」にあたるターゲットの明確化です。そして意外に抜けているのが「何を」の部分です。
もっとも、最後の「求めているもの(結果)」は、早々に決めていたりしています(笑)。
このように、必要にもかかわらず、部分的に抜けの場合や全く抜け落ちている場合が 多いのです。
デザイナーが考えるべき課題なの?
どんな状況でもそうですが、まず仕事に取りかかる前に、情報の整理をしなければなりません。
しかし、何よりも最初に考えなければならない点が この「デザイナーが考えるべき課題か否か?」なのです。
いくら素晴らしい制作依頼であっても、最低限クライアントが決定しなければ ならないことがあります。それが、前項で述べている、 「誰に」=ターゲット 「何を」=商品、サービス 「求めているもの」=知名度、集客 の三点なのです。そしてこの大事なポイントが、抜け落ちている課題が非常に多いのです。
その中でまず最初に必要な作業は、「デザイナーが考えるべき問題」と「クライアントが考えるべき問題」を整理して提示する事です。 もちろんこれは、デザイナーだけでなく、クライアントにも実益のある事なのです。
なぜこんな大切な事が抜け落ちるのか
まず最初に必要な作業は、課題を整理して提示する事としました。が、なぜクライアントはこの大切な3点が抜けるのでしょうか?これが理解できれば作業性はアップするはずです。
まず一つ目は、
「この3つのポイントを知らない」というパターンです。ほとんどがこれだと思ってもいいかもしれません。
そもそも、デザイナーが大事だと思っていても(実際大事なポイントなんですが)、クライアントも同じ意識であるとは限りません。
二つ目は、
クライアントが、様々な情報に左右されている場合があります。 あのキャンペーンが当たった‥とか、 あのデザインが流行っている‥とか 色々な現象や聞きかじりの情報が混沌となり絡み合って整理できていないのです。
しかもその絡まっている状態を自身で認識していない。
だいたいこの二点が多いはずです。もちろん、3つのポイントを押さえてオリエンしてくれる、クライアントもいます。
何れにせよ、時間をかけてでも大事な3点は必ず明解にしておきましょう。以降の仕事に多大な影響を及ぼす大事なポイントなのです。
大事ポイントが抜けるとどうなるか?
「誰に」=ターゲット
「何を」=商品、サービス
「求めているもの」=知名度、集客
デザイナーにとってこの3つのポイントは、制作する場合必ず必要となる事柄です。しかし、多くの仕事はこれらのポイントが抜け落ちています。
そこで実制作では、デザイナーは仕方なくそのポイントを探し出し、絞り込んで、決定する作業をしなければならなくなります。
しかしここに、落とし穴があるのです。
デザイナーは、クライアントが決められないポイントを、自分なりに決め込んで 案を練ります。しかし、それはデザイナー自身で決めたことであり、クライアントが決めたことではありません。
売り上げを上げなければならないクライアントが、効果があるかどうかを左右する大事なポイントの決定に関与していない… という、根本的で大きな欠陥がここにはあるのです。
当初はデザイナー主導で制作が始まります。 クライアント側からすれば、プレゼン時には「キレイ」で「カッコ良く」て「理屈が通った」プランを見せられるのでその時点では、とても良い案だと思ってしまうのです。
しかし、制作が進むにつれ「これでいいのか?」という疑問が頭をもたげます。そりゃそうでしょう。一番大事な「得たい効果」に合致しているか、詰めていないのですから。 その後「変更をお願いします…」というお決まりのオチに至るのです。
そこで、デザイナーであるあなたが、大事な3つのポイントを説明をしなくてはいけないのです。
3つのポイントを押さえる効果は絶大
デザイナーとしては、本来クライアントが理解して、決定しているはずの3つのポイント なのに説明をしなくてはならないなんて、面倒だなあと思うかもしれないでしょう。
しかし、この行為は必ず実を結びます。
まずひとつ、途中での大きな変更が少なくなります。
少し理想論になりますが、課題の根本で共通認識を持てば、表現方法についても スムーズに理解してもらえます。(もちろんそれなりに理屈が通っている必要あり)
それよりも、「誰に」「何を」売るのか、知らせるのか、という部分の 共通認識ができなければ、その後の表現部分で「クライアントの好み」という 「変更・訂正という怪物」が暴れまくります。
次に責任を分担できます。(決して責任を回避する事ではありませんよ。笑)
制作物の表現に、効果のあるなしが問われる場面があります。 その際に、3つのポイントについて、クライアントにも同意を得た…そしてそれに 基づいて展開された表現であることを確認すると、必要以上のつっこみは無いでしょう。
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