「上下関係みたいなもの」からの脱却
デザイナーのストレスには、クライアントとの「上下関係みたいなもの」が大きく関係します。
これは、「クライアントなんだから言うこと聞かなくちゃ」的な気持ちから仕事に対しての姿勢が萎縮してしまい、それがデザイナーのストレスとなり、最後にはデザインする事が面白くなくなってしまうという危険があります。
では、どうやってこの「上下関係みたいなもの」意識から脱却するのか? まずひとつは、クライアントとは=依頼人のことであって、決して「仕事をあてがってくれる人」ではありません。
クライアントは、自分が持っている課題を、デザイナーに解決してもらう…事がの本当の立ち位置です。 我々デザイナーは、デザインによってクライアントの問題を解決することが仕事なのです。
まずはこう考えることから始めましょう。
「関係性」を再構築する
さて、クライアントとの「上下関係みたいなもの」という「関係性」を再構築するための、具体的方法としてまず一つ。 無意識に「クライアントはミスを犯す」という事を前提として、仕事にかかっているのではないですか? ここでいう「クライアントのミス」とは、単なる原稿のミスや、整理・連絡不足などいわゆる凡ミスです。 そして仕事の大半を「クライアントのミス」のリカバリーで費やす…といった場合も多々あるでしょう。 だからといって、納期が延びたり、ギャラがアップするなんてことも期待薄です。 この、百害あって一利無しの「クライアントのミス」を無意識に避けて通らずに真っ向から対峙することが、「関係性の再構築」の入り口なのです。
「クライアントのミス」が起こらない様に
まず大事な事を一つ、 デザイナーはデザインの専門性を買われて、依頼を受けているのです。「クライアントのミス」を防ぐことが、デザイナー本来の仕事ではないのです。 とは言っても、「クライアントのミス」はどうしても起こります。 なので、デザイナーは事前に「クライアントのミス」が起こらない様にまずはがっちりガードすること。これが肝心なのです。 そして、一番肝心なことは「あなたがミスをしないように対策してるよ」という行動をしっかりクライアントに認識させることです。 その上で、出てしまったトラブルはしっかりと交渉できるはずです。 デザイナーが、気を遣っている「クライアントのミス」のフォローは本来の仕事ではない…という事実をクライアントに理解させる。 これは、自分の仕事を正当に評価してもらうためでもあるのです。
「関係性」再構築の第一歩
我々デザイナーは、デザインによってクライアントの問題を解決することが仕事。その本来の業務に戻るために、「上下関係みたいなもの」という「関係性」から脱却する必要性がある。 意識改革の最初は、「クライアントのミス」に対応する無駄な業務という問題を避けて通らずに真っ向から対峙すること。 次に、デザイナー、クライアント共に本来「クライアントのミス」を防ぐことが本来の仕事ではない…ということを認識する。 ここまでできれば、モヤモヤしたストレスは随分減っているはずです。そして次の項では、これら「関係性」をクリアにすることで、デザイナーの仕事を正当に評価してもらう事についてです。
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