00.デザイナーのスタンス

デザイナーはクライアントと対等の立場である

デザイナーがクライアントと対等の立場で仕事をする…という状態は、 ごく自然な状態だと私は思います。
まずはデザイナーがクライアントと対等の関係である必要性を、 明らかにしておきましょう。

最初にクライアントは依頼者であること。依頼者というのは、依頼する相手に 専門性を求めています。 つまり、デザイナーであるあなたに「デザインの専門性」で、「問題を解決」を 望んでいるのです。

たとえば、これと同じ構造の業種として「医師」「弁護士」があります。 医師は患者に治療とアドバイスを与えます。 弁護士は、依頼者にトラブルの解決法方法と、その弁護を行います。
デザイナーの仕事はこれに習うと、クライアントの持つ問題をデザインと アドバイスで解決するということになるでしょう。
つまり、患者でも依頼者でも、なにかの「問題」を抱えていて それを医療や法律の知識やデザインの技術などの「専門性」で解決してほしい という構図があるのです。

「デザインの専門性」の本当の意味

デザイナーがクライアントと対等の立場であるためには「デザインの専門性」が 求められます。 デザイナーはその専門性を持っているからこそ、クライアントと対等の立場に立てるのです。

但し、勘違いしてはならないのは決して尊大に振る舞え…ということでは ありません。尊大な態度は時には、他の人に畏敬の念を抱かせ、あなたのデザインは 「何でもOK」という状態になるかもしれません。(いわゆるパワハラ状態ですね)
もちろんその状態は、デザイナーにとっては悪い気はしないでしょう。 しかし長い目でみれば、進歩がなく凋落していくことは必至です。
必要なのは、的確で効果のあるデザインとアドバイスです。または、クライアントが 間違った方向へ進んでいる場合に、はっきり「間違っている」と言える力です。

ただ、クライアントがあなたのアドバイスに疑問や抵抗を示すこともあるでしょう。でも、医師が患者が痛がるから手術をやめる…とか、弁護士が依頼者が嫌がるから 根ほり葉ほり聞かない…とか、考えられるでしょうか?
デザイナーであっても同じことだと思います。

専門性を身につけるために…

デザイナーは、デザインについての「専門性」を持っているので、クライアントから依頼がある。
これは間違いのない事実です。
もしあなたが、そこまでのデザインの専門性を持ち合わせていない… と思うならば、もっとデザインの知識を得るようにしましょう。
またもっと多くの案件と関わる必要があります。少なくとも、周囲のデザイナー達よりも 多くこなすことです。 量はいつしか質に転じます。

デザイナーに限りませんが、場数をこなすことと旺盛な知識欲は、 必ず目標到達に導きます。 デザイナーという職種は、残念ながら医師や弁護士のように国家資格ではありません。 またどこかの組合や団体が授けるものでもありません。 デザイナーとは、自分で「なる」ものなのです。

医師や弁護士が資格取得後に各自の専門の情報収集や勉強をやめるでしょうか? 答えはNOです。 であれば、彼らが資格を得るということも、いわゆる「マイルストーン(目安)」でしかないのでは…と私は思います。
少なくとも、経験や知識を集め続ける人でなければ「専門性」を保てないのです。

デザイナーとクライアントは対等の立場で仕事にあたる

デザイナーはクライアントと対等の立場で仕事をしなければならない。これはなぜか?
この項で説明してきましたが、一応理解してもらえたかと思います。そこで、この項のまとめ

デザイナーは、デザインについての「専門性」を持って、 クライアントの持っている「問題」を解決することがミッションである。

デザイナーは「専門性」があるからといって尊大になってはいけない。長い目で見れば、必ずプラスにならない。デザイナーに必要なのは、的確で効果のあるデザインとアドバイス。 また、クライアントが間違っている場合に、はっきり「間違っている」と言える力。

デザイナーの「専門性」を磨くためには、数多く場数と案件をこなすこと。 量は質に転じ、いつしか目標に到達できる。

デザイナーの「専門性」を保ち、高めるためには、経験や知識を集め続けなければ ならない。

少々長い項目になってしまいましたが、大切な事なので丁寧に書き記しました。

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