持っている答えを引き出してあげる
先の項で、クライアントは制作に必要な3つのポイントをよく知っているはず…と結びました。なので、「デザイナーは説明上手であると共に、聞き出し上手にもなるべきなのです。」という点について深掘りしてみましょう。
デザイナー打ち合わせの席に呼びたがるクライアントは、相談をしたがっている場合がほとんどなのです。
何を相談したがっているのかはケースバイケースですが、デザイナー(制作関連者)を指名する場合、多くは表現面のことになるでしょう。
しかし、ここで決めることは色や写真やイラストの有無などではありません。 無論クライアントは、そのような具体的で分かりやすい事を決めたがるでしょう。
それはそれで構わないと思います。しかし、デザイナーであるあなたが 同じように、末端の話だけにとらわれていてはいけません。
デザイナーは枝葉の話を本筋に戻す必要があるのです。 本筋とは何か?それは、前項から何度も書いているポイントの把握なのです。 なにせ、ポイントが把握できてない者どうしが話をまとめても、 砂のお城といっしょで「で、何が言い(売り)たいの?」というひと言で サラサラと崩れてしまいます。
まずは、デザイナーがそこを正すようにしましょう。 本当の相談はここから始まります。
タイプ別 ダメな聞き出し方
デザイナーが打ち合わせに赴き、制作のポイントが決まってない場合、たまに怒り出すデザイナーがいます。(昔は多かった)
まあ、気持ちは分かるのですがこれは少し考え物です
もちろん意図的に「怒る」デザイナーもいますが、これは時と場合によります。
多くは、ダレた現場を引き締めるために「怒る」のですが、クライアントを巻き添えにするのは、撮影現場ぐらいにしておきたいものです。
また、結論を急ぐタイプのデザイナーもいますが、これも考え物です。無理矢理結論づけると、後でほころびが出ます。
特にクライアント側では見えない不満として蓄積される場合があります。 もちろん制作後半などは無理矢理引っ張ることも必要ですが、最初のうちからクライアントを引きずり回すとかならず最後でしっぺ返しを食らいます。
最初に必要なのは、制作する為に必要な情報を引き出すことです。 あわてず、慎重にポイントを引き出しましょう。
気持ちを察する これもスキルの一つ
相談には、本当にどうしたら良いのか皆目見当が付かない…場合と、ある程度選んだ選択肢の中で、どれにすれば良いか…という場合があります。
そんな中でも、どれを選べばよいのか?という相談の場合、どの選択にするか悩んでいるようで、既にクライアントの中で決めている場合が多いのです。
じゃあ聞くなよ!デザイナーはヒマじゃないんだよ!(笑)と思うかもしれませんが、ここでのポイントは、クライアントは背中を押されたがっている…ということなのです。
実は、クライアントには自信がないのです。自分の答えは決まっているのだけど、確信が持てない場合が多いのです。 この、クライアントが欲しがっているのは、決定する勇気への応援なのです。
そして皆目検討がつかない…という場合は、最初に戻り3つのポイントから聞き出すのがセオリーです。
実際ここからの相談の場合、時間はかかりますがハマればデザイナー主導で仕事が運びます。そのためにも、親身になって相談に乗るべきでしょう。
デザイナーの仕事で、必要なスキルのひとつは相手の現在の気持ちを察すること。 結構大事なポイントです。