切るという方法
さてその一回目「なんでも切ってみる」です。
何でも切るとは、たとえば簡単な例でいうと…
住宅の広告を作ることになりました。見せたいものは「しっかりした構造」です。
さて、あなたはどんなイメージを作りますか?
とても安易ですがここで「切る」のです。そう「家」を半分に切って断面図を見せるのです。特に見えにくいものを見せるときに有効な手段です。
構造図、透視図などは「男の子」は大好きです。ついつい見てしまう効果もあります。
それからもうひとつ断面図は美しい‥という事実があります。左図ですね。
たとえばキャベツ、ピーマン、オレンジ‥真半分に切った写真を思い浮かべてください。
どこかで見たことがありませんか?
かつて「キューピーマヨネーズ」などの広告で使われていました。
これらは、純粋に造形的に美しいものです。造形的に美しいものは、それだけで説得力があります。
単に盛り付けただけよりも、おでんの大根なら箸で切って断面を見せる‥
だしの染みたグラデーションが実に「旨そう」に見える。
他に、切り方工夫するというのもあります。
たとえば…
私は学生時代に出た「野菜を切って色彩構成をせよ」という課題で、ピーマンをこのエッシャー先生の絵のような切り方をして描いてみました。
もちろんその時この絵は知らず「俺ってやるやん!」とひとりほくそえんでいたことがあります。
実際評価点も高かったと思います。先生もこのエッシャーの絵を知らなかったのですね。
このように誰も考えついてないビジュアルというのは、根本的に存在しないと考えています。
なのでビジュアルアイデアは類型化できるのです。
後は如何に自分の味を付けるか?です。
まずは、お題を「切る」という方法で料理してみる方法でした。