アイデアのテンプレート 2 「なんでも拡大してみる」

なんでも拡大してみる

今回も簡単!何でも拡大してみるという発想法です。実際の仕事でよくクライアントに、
商品や値段やなんやかやを「大きくしてくれ!」というオーダーが入ると思います。
彼らは物理的な事は何も考えてないので、ただ自分の頭の中にある大きいイメージを求めてきます。
しかし所詮紙のサイズ以上にでかくはなりません。そこで必要なのは、やっぱりアイデアです。
特に妄想で一杯になっているクライアントの頭の中をふっ飛ばすぐらいのインパクトを与える必要があります。そこで「大きい」とか「大きく見える」という表現方法を探ってみましょう。

まずは、単純に主題を拡大してみる方法。
コーディネートはされてますが、違和感ありまくりですよね。
そうです。拡大する意味は「違和感を覚えさせる」ことなんです。単純に言えば違和感で目を引く方法とも言えます。

日常にあるものをバカほどでかくすると、妙な違和感(ギャップ)を覚えます。次に人はそのギャップを埋めたくなります。そして意識に刷り込まれるのですね。

違和感を覚えさせるテクニックは「大きくする」以外にもありますが、(簡単なところでは男装とか女装ですね)この単純に「大きくする」というのは子供にウケます。純粋におかしいからですね。
ただこれは拡大する手法の中では、ごく入り口なのです。
(画像はhttps://www.allposters.comより引用)

これは見せ方を工夫するパターン。大きいものと小さいものを並べて比較させる。単純ですが、一番「大きい」ということを知覚させやすい方法です。
「大きい」といってもそれは相対的なもので、対するものを小さく描けば、「主題」は大きく見えるのです。
「使用前」「使用後」という表現方法は同系列の手法です。何れにしても差を見せるということ。
それを、メインビジュアルに適用するというところがミソです。
(画像はhttps://www.allposters.comより引用)

昔からよくみる比較のビジュアル。
昔といっても、みなさんが子供頃に見た図鑑などでよくみる表現方法ですね。
これは、抑えた表現方法ですが描き方によっては煽りが効きます。

ただ主体を拡大するという意味からすると、少し外れてますね。
なので、拡大した主題がどれほど大きいのかを表現する手法として使うのが良いと思います。

こちら、はご存知葛飾北斎ですね。波の造形が素晴らしいです。ハイスピードカメラで波を撮影すると、波頭は本当にこんな形になっているんだとか…どんな眼やねん!

豆知識は置いておいて、これも手前の小舟との対比ですね。ただ、それだけでなく、画面の構成力なんかも参考になります。
(画像はhttps://www.allposters.comより引用)

大きくするという手法は時に「カワイイ」に転化しやすいという例を…

拡大するという手法をストレートに使うのではなく、少し切り口を変えたイメージですね。

ただ、見せ方は参考になると思います。手前に置いた主題を影絵で拡大してみせる。また、影絵という手法を転がして…
発想を転がすことによって、複数のイメージに転化して行きます。

これは…カワイイ感じに転化していますね。
(画像はhttps://www.allposters.comより引用)

大きさを対比する事で生まれる可愛さが生きてます。この象と犬の絵なんか、このワンカットでストーリーが浮かんできそうです。
特に象が大きく見えることで、キャラクター(性格)が引き立っていると思います。

この手法でよく使われるのが、赤ちゃんと母親のカットですね。赤ちゃん自身は小さいのですが、それを強調する事で様々なイメージを表現できます。

単純に大きくした原発のプラントを重ねているだけですが、個人的にはこういったディストピア感が出てるのも好きですね。

特に多く使われているのが、映画のポスターとか…スターウォーズの初期のポスターとか、ダース・ベイダーがでっかく背景に入ってるとかですね。
大きくする事で恐怖がマシマシ状態になる…これも拡大する効果の一つだと思います。

拡大する…なんて子供みたいな手口だなと思われますか?
でも何事もシンプルに考えてみる。これが基本です。シンプルだと構造が単純ですが、単純な構造は強いのです。
このように基本から発想すると、受け手にストレートに伝わる強いビジュアルができるのです。

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